前回、会社を船だと例えたら、その船には「攻撃力」「守備力」「持久力」の3つの計器がある事を確認しました。今回はその3つの計器のうち、攻める力と守る力の二つをどう見るかを確認します。この二つの力は(1)バランスと、(2)優先順位がとても重要です。
(1)バランス
攻める事が得意な経営者は、攻めることばかり思考し続ける傾向があります。守りをおろそかにし、拡大路線をひた走り、船を沈めるにいたるのです。これが典型的な黒字倒産の事例といえます。売上げも伸びて、利益も出ているのに船が沈むのです。
逆に、守り重視の経営者は、いつまでも攻撃に移りません。結果、経営資源を価値化できず、資産を持て余す事になって、やたら大きな身動きのとれないただの鉄のかたまりの様な船になってしまうのです。
攻めと守りはそのバランスが大事になります。自分が「攻めタイプなのか?」「守りタイプなのか?」その「バランスはどうか?」を確認し、次にどちらを強化・改善するのかを考えていく必要があるのです。
(2)優先順位
バランスを強化・改善する優先順位として、まず守りの強化・改善から始めましょう。「守りを強くしてから攻める」ことを繰り返して船の成長を実現していく事が理想的な成長パターンです。体力がないのに無理な攻撃をしていると思わぬしっぺ返しにあうことになります。
勘と経験で航海をするのではなく、攻めと守り、二つの計器を見比べて、常にどちらに進むのかを考えましょう。我社の力のバランスがわからなかったら、航海士である会計事務所に尋ねてみるといいでしょう。
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