以前少し触れましたが、企業の財務戦略においては『攻撃力』よりも『守備力』の強化を優先させることが定石とされています。その観点から、『攻撃力』の問題の有無よりも、『守備力』の問題の有無のほうが、会社(船)にとって重要な指標であることを認識して頂きたいと思います。
守備力の構成要素は以下の通りです。
【安定力】
1)経営安全率…赤字に落ちるまでの余裕度はどの程度か
2)借入金安全率…資金循環をどの程度借入に依存しているか
3)債務償還可能年数…現行の攻撃力で借金返済には何年を要するか
4)借入月商比率…借入金と商売の大きさのバランスは適正か
5)預金対借入金比率…預金と借入金のバランスに無理がないか
【健全力】
1)自己資本比率…過去の利益を蓄積し自立できているか
2)固定比率…身の丈にあった設備投資になっているか
3)固定長期適合率…無理な設備投資をしていないか
4)流動比率…資金の流れに問題がないか
5)当座比率…無理な資金繰りをしていないか
【資金力】
1)総資本回転日数…身の丈にあった経営活動になっているか
2)受取勘定回転日数…回収速度、引いては市場での競争力を有しているか
3)棚卸資産回転日数…適正在庫を意識した経営になっているか(粉飾はないか)
4)固定資産回転日数…遊ばせている設備がないか
5)支払対受取回転日数比…1日、1%の効果を意識した経営をしているか
『攻撃力』は、売上が上がっているか? 利益は出ているか? という大変分かりやすいテーマですが、『守備力』は表面的にはどうしても見えにくい指標です。結果的に問題にも気付き難く、表面化したときには手遅れ…、という事態にもなりかねません。
nさて、御社の守備力に問題があるとしたらそれはどこでしょうか? さっそく航海士である会計事務所に分析を依頼してみましょう。どこが問題で、どうすれば改善できるのかを確認し、すぐに対策を検討しましょう。
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