第16回 B/Sの「3類型」とそれぞれの対応(その2)

今回は、前回お伝えしたB/Sの3類型のそれぞれの状態を整理し、その類型が置かれた状況と、基本的対応策について考えていきたいと思います。(3類型の詳細については、前回のブログを参照して下さい)

まずI型の場合です。この場合、2段階に整理して考える必要があります。第一の段階が、会社の保有する資産を経営活動に投下したにも関わらず、結果として利益が出ていない段階です。これは、かなり危機的な状況だと言わざるを得ません。利益が出ていないということは、自社が社会に対して提供しようとしている価値が、社会(顧客)に認められていないということを意味しているのです。

取組むべきテーマは「ビジネスモデルの見直し」になります。現実を直視し、早急に自社のビジネスモデルのどこに問題が在るかを特定し、改善策を洗い出していくのです。自社の社員をしっかりと巻き込んで取組むことが必要かもしれません。もし、それでも改善策が見出せないようであれば、厳しいようですが、できるだけ早く会社を清算することを考えなければいけません。

次に、第二段階ですが、これは損益計算書上利益が出ているにもかからず、Ⅰ型になっている段階です。要因としては、負債の返済等で入ってくるキャッシュよりも、出て行くキャッシュの方が大きく資産が増加しないためにⅠ型になっているのです。キャッシュバランスを考えず、漫然と借入や割賦契約を結んだ結果です。良い財務アドバイザーがいないか、いても社長がその声に耳を傾けていない事が考えられます。
取組むべきテーマは、財務政策を見直し、銀行や割賦会社との交渉を行うことです。それをしなければ借入を返すために借入をすることとなり、何れ資金が枯渇します。銀行等の債権者も回収はしたいのですから、返済を前提とした計画を練り直し、説明をすれば交渉には乗ってくれるはずです。是非、航海士である会計事務所を上手に活用し、早急にⅠ型脱出の戦略を練って下さい。

次回はⅡ形についてお伝えします!


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