第13回 『守備力』はこうして強化すべし!(その2)

『守備力』は概ね貸借対照表(以下、B/S)に表れてきます。『攻撃力』をつかさどる損益計算書(以下、P/L)は、一会計期間(通常1年)が終わるごとに“0”にリセットされますが、B/Sは創業から会社を閉じるまで、ずっと繋がっていきます。そういう意味では、会社の歴史が刻まれるのがB/Sなのです。

B/Sには創業以来、経営活動において資金をどのように『調達』し、調達した資金をどのように『運用』しているのか、そして結果的にどれだけの体力を蓄積できているのかが表れています。とても重要な財務諸表なのです。しかし、B/Sをじっくりみる経営者は多くありません。何故なら、経営者の興味が売り上げと利益といった攻撃の状況確認、つまりP/Lに傾くからです。しかし、本物の経営者はB/Sを大切にすると言われます。何故なら、『攻撃力』を強くする前提として、人体でいえば基本体力となる『守備力』を強くすることが優先されることを知っているからです。

B/Sを見るポイントには2つの視点があります。
1)「調達」「運用」の結果、適切な体力がついているか?
2)投下した資本が効果的に回収される体質になっているか?\r\n\r\nこの2つの視点で自社のB/Sを確認し、どこに問題があるのかを絞り込み、体質改善に取り組んで行けばよいのです。会計期間毎に“0”にリセットされるP/Lの改善は短期的取り組みでできますが、B/Sの改善には時間が必要になります。「B/Sは一日にしてならず」なのです。次回は1)のポイントについてもう少し詳しく紹介していこうと思います。


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